島原に随一残る江戸期の揚屋…今で言いますと料亭…大規模な宴会場…太夫を呼び歌舞音曲を…宴会を行った施設…
入り口を入りますと角屋の家紋「蔓三つ蔦」が染め抜かれた暖簾が…その奥の右手に玄関の柱に刀傷…左右に鴨川真黒石、正面に上がり框、沓脱石が…左手には辻行灯…火袋は二本の吹寄、袴腰…その前には家紋入り天水溜、天水桶が…井戸が…
正面に中戸口が…中へと進みますと台所…竃の神様「三宝荒神」さんが…少し上を見ますと「八方」が…四方八方照らすところから八方と…灯芯に種油にて使用…今で言いますとペンダントライト…
家紋を透かし彫りした衝立が…その奥には ずらりと竃が並び…配膳場を含めて100畳と…左手には走り、井戸が…その上にはスライド式窓、天井には煙出し窓…
更に順路へと進みますと「西郷隆盛」さんが使用していました盥が…箱階段、帳場が…その先には刀箪笥が…更に進み玄関の間には刀掛けが…当初は大刀はお預かりなのでお座敷に入る前、刀掛けに…
その奥に二八畳の「網代の間」が…天井が大長枌網代組に…棹縁が長さ4間(八メートル)の北山丸太…床の間の地板は二間の松の木…左手の付書院に火燈窓、その上の欄間は網組に一枚板から堀込を…床柱は皮付き松を…右側手の三角の吊戸棚は鳴きり砂子に…壁は桃山土壁、障子の桟は竪格子の二本吹寄、欄間は五本吹寄に…
釘隠しは宝尽くしで七個の宝…宝珠、分銅、打ち出の小槌、隠れ蓑、隠れ傘、丁子、巻物が…
お座敷の前には中庭が…椛の木が…手水鉢に春日灯籠…井戸が有り 滑車が織部焼
そして、更に奥へと…四十三畳のお座敷「松の間」が…新鮮組 初代筆頭局長 芹沢鴨は、このお座敷「松の間」にて宴会を行った後、八木邸で暗殺されたことで有名…
床の間辺りにてボヤが有り火消し道具にて「破壊消化」され…大正期に再建されたお座敷…こちらだけは登録有形文化財…なので行灯ではなく電気が…冷暖房設備が…
襖絵は岸連山作「金地桐に鳳凰図」…岸駒の孫娘の養子に…
額は薩摩剛毅書、李白の詩が「蓬壺生春酒」(ほうこ しゅんしゅを しょうず)…蓬莱国の壺に搾りたての美味しい酒が満ちている…と
七宝焼きの釘隠し、欄間、襖の引手には角屋の家紋の蔦をアレンジした模様が…
右手には「曲木亭」、その奥にのは茅葺きの「清隠斎茶席」、左手には「囲い間」のお茶室が…正面には紅枝垂れ、左手には八重桜が…正面にはツツジ、右手にはトベラが…椛の木も…季節によって異なった美しさが…と
右手奥には、遊仙閣が…景色を眺めたり 外の空気を…
「京の夏の旅」の公開は一階のみ…9月15日からの「角屋もてなしの文化美術館」の本来の公開は二階も予約にて見学が出来る…緞子の間・御簾の間・扇の間・草花の間・馬の間・檜垣の間・青貝の間等々…どのお座敷も凝っており素晴らしく見る価値はあると…